ヤンキースから学ぶ金満球団のタンク無しの再建法
世界最大の金満球団のヤンキース。常に贅沢税ギリギリの総年俸で戦っており、勝負期にあるように見える球団ですが、プロスペクトは不足しないのでしょうか。そこで、今回は彼らのプロスペクトの補給法とプチ再建についてお話します。
〜リリーフの乱獲と大量放出〜
ヤンキースは2010年代中盤のア東地区はブルージェイズやオリオールズの強かった時期には、3、4位に甘んじることが多かったですが、総年俸だけは前記の2球団より高かったです。同時期にヤンキースにはエ○ズベリーがいましたが、彼の年俸を差し引いても下位のチームとは思えない額でした。燃費が悪いとも言えそうですが、彼らはこの総年俸のうちの20%近くをリリーフに充てていました。通常リリーフにここまでの額を割くことはコンテンダーでもそうそうありません。ただヤンキースはトレードでこれらのリリーフを他地区のコンテンダーであるインディアンスやカブスに売り払いました。
(1)アロルディス・チャップマンのトレード
カブスとのトレードです。ヤンキースは2016年当時ナ中でトップを走っていたものの、クローザーがヘクター・ロンドンでセットアップがペドロ・ストロップだったカブスに標準を合わせます。決してこの2人が悪いとは言いませんが、他のリリーフが結構ひどい、チャンピオンを目指す、又プロスペクトも多いという状況であった為、よりプレーオフでの勝利を確実にするために、セットアップは満足にできてクローザーもできるようなリリーバーが欲しかったのでしょう。ヤンキースは1年契約を結んでいたチャップマンを7月25日に放出します。対価は当時のトッププロスペクトだったグレイバー・トーレスです。現在のショートを務めている選手です。カブスは2016年にはワールドチャンピオンになっています。
(2)アンドリュー・ミラーのトレード
インディアンスとのトレードです。インディアンスは2016年当時ア中でトップを走っており、独走に入っていましたが、プレーオフでブルージェイズやアストロズに対抗するには、ブライアン・ショウやコディ・アレン、ダン・オテロらのいたリリーフにもう1枚クローザーレベルのリリーバー欲しいと考えていました。ヤンキースはこれに目をつけて保有期間の長く残っていたミラーを放出し、多くのプロスペクトを得ました。インディアンスはこの年、ア・リーグ優勝を果たすもののワールドシリーズでカブスに敗れています。これ以降、毎年のようにプレーオフには出ているもののワールドシリーズには進めていません。ちなみにヤンキースが得た対価はクリント・フレイジャーやジャスタス・シェフィールド、JPファイアーライエンなどを獲得しています。シェフィールドはジェームズ・パクストンとのトレードでマリナーズへ、ファイアーライエンはマイナー選手同士のトレードでブリュワーズに移籍しまぁまぁなリリーフに成長しています。フレイジャーは今は外野のデプスに名を連ねています。
このようにヤンキースは豊富な資金を生かし、勝負に出れない年でもFA市場でリリーフを買い漁り、それらをプロスペクトに変えていくという小さな再建をすることで厚い選手層を作り上げています。彼らの野手育成のノウハウは他球団が見習うほど優秀であるため、野手のプロスペクトを多く抱える傾向にあります。投手は残ったプロスペクトでトレードしたりFAで買ってくるという方針でしょう。あとはトレーナーさえ優秀なら恐しい選手層で殴り続ける銀河系球団になれるでしょう。尚、主はヤンキースが好きでは無いです。
ピーダーソン獲得について
本日カブスとのトレードでブレーブスはJoc Pedersonを獲得しました。対価は球団10位代のプロスペクトのBryce Ballです。2019年にルーキーリーグで無双して、1Aに昇格、まぁまぁ良さげな成績を残していた1Bです。今季はA+でのプレイでしたが、成績は芳しくなく、打率は.206と苦しんでいます。ですが、ホームランは2シーズンで401打席で23本、ツーベースも30本と長打は結構出ています。またisoDは.098と選球眼は結構良いです。フリーマン2世とも呼ばれていました。ただ、今季のブレーブスのA+のチームでは、Franklin VやEstradaの方が目立っていましたし、一塁専なのも相まって放出されました。カブスの次の黄金期で活躍できるよう(ロンダリングされるかもしれませんが)頑張って欲しいです。
Pedersonは左投左打の外野手。パワフルな打撃と結構上手い守備が魅力の選手です。またプレーオフで強いイメージがあります。彼がドジャースにいたときにブレーブスも痛い目に遭わされています。WSでも活躍していました。ただ、左腕に弱く戦力が厚ければプラトーン起用したい選手です。尚、アクーニャもオズーナもいない今のブレーブスの外野陣なら勿論スタメンです。右腕の方が結局は多いですしね。彼はオプション行使すれば今オフFAですので、ブレーブスに長くいることはそうそう無いでしょう。また、ブレーブスがここから負けが混むようあらもう一度トレードされる可能性もあります。ですがこのトレードで酷かった外野手の補強に成功しました。インシアーテの出番はますます減りそうですがPedersonには頑張ってもらいたいです。
2021 オールスター ブレーブス選手のの活躍と紹介
2021年のオールスターゲームはアトランタで開催されました。(えっ、場所が変わった?いや、そんなことがある訳…)
すみません、幻覚です。コロラドのクアーズフィールドで開催されたオールスターゲーム。ブレーブスからは、2人の選手が出場しました。FreemanとAlbiesの2人です。日本のメディアで取り上げられることはほぼ無いと思うので、知っている方も多いと思いますが、この場で紹介しようと思います。ちなみに両者ともに2打数1安打でした。
Freddie Freeman 1B
アトランタのフランチャイズヒーロー。昨年のMVP。暗黒期のブレーブスをJUlio Teheranとともに支えていました。40発打ったようなシーズンはありませんが、常に30本前後のホームラン、9割を越すOPSに上手いファースト守備、積極走塁とMLBトップクラスのファーストです。昨年は参考記録ですが、1.1を越すOPSを記録しました。打撃練習では常にショートの頭を越えそうなライナーを打ち続けます。寡黙そうに見えますが、フィールド上では塁上のランナーに急に話しかけたり、まぁまぁ大きな声で独り言を言っています。今オフでFAですが、彼にはアトランタでチャンピオンになって欲しいです。
Ozzie Albies 2B
24歳にして、500安打を達成した両打の安打製造機。20歳でデビューしてからもう2回目のオールスター選出です。速いライナーの打球が多く、ツーベース・スリーベースを量産するため、非力な見た目からは想像できない長打率の高さを見せます。ホームランも多く2019年には24本、今年もすでに15本を記録しています。足も速く15個前後の盗塁を記録します。守備もうまく、RngR(守備範囲の指標)では、上位をキープしています。ここまで聞くと完璧な選手に聞こえますが、出塁率が打率にしては低い、左右の打席によってかなり差があるというように打撃は少し荒さを感じます。ですが、四死球が少ないことにより、打数が多く、安打も多いです。若きチームリーダーで、陽気な南米系の選手たちをまとめています。怪我をしてしまったアクーニャに対する対応は滅茶苦茶男前でしたね。 かなりひどい契約で年俸は600万ドルしかありません。
来季は今季5月に活躍したものの、選出されなかったAustin Riley、華麗な守備を見せ、チャンスに強い打撃が魅力のDansby Swansonなども選出されて欲しいですね。マンフレッドは州の法律の問題が収まれば、アトランタでのオールスターゲームを近々してくれるでしょう。(というか絶対しろ)今年のオールスターもなかなか楽しそうでした。将来行ってみたいです。
ブレーブスの一巡目指名はRyan Cusick!!
あれ〜、開催地がおかしい気がしますね。
本日はMLBドラフト初日、1巡目の指名がありました。昨年の時点ではKumar Rockerレースとまで称された全体1位争いでしたが、彼の球速低下や高校生遊撃手たちの台頭もあり、混沌の中始まった今季のドラフト。全体1位でパイレーツが指名したのは、Henry Davis。大学生の捕手でした。
今回のドラフトのハイライト
1位指名のDavisは打撃が魅力の捕手。選球眼とパワーで多くのハードヒットを飛ばします。肩が強く盗塁阻止能力は評価されていました。パイレーツの投手育成にあまり良いイメージがないので野手に行くと予想していました。あと、パイレーツは投手なら長身を好む傾向があるので、Jack Leiterの線はあまり無かったように思います。あまりにも捕手のプロスペクトがいない、そこに優秀な捕手の選手がいるとなればパイレーツの指名は間違えていないと言えそうです。
私がブレーブスが指名する可能性があるとあげていたMcGreevyはSTLに、BednerはSFにそれぞれ指名されています。特にBednerは2020シーズンで投げなかったため、リスキーな指名と予想していましたが、かなり高順位の指名となりました。McGreevyに関しては残っていればラッキーという感じだったので、まぁ妥当でしょう。
今ドラフト一番のサプライズはエンゼルスの指名だと思っています。全体9位指名で、球速が低下したとはいえ完成度の高いRockerの指名が予想されました。彼が残っているパターンを予想していなかったのかもしれませんが、少なくともリリーフタイプであるBachmanの指名は上位の指名であることを考えると、ベストな選択ではなかったのかもしれません。
ブレーブスの指名
Ryan Cusick (ウェイクフォレスト大学)
やはり、大卒投手でした。前回の記事の通り二遊間のプロスペクトが少ないので、遊撃手の可能性もあると思いましたが、普通の指名でした。最速で102マイルの速球に縦のスライダーが武器。チェンジアップも投げますが現状では投げない方が良いレベル。スライダーはキレが良く、奪三振能力が高いです。映像を見る限り好不調が速球に顕著に現れています。素材型のようですが、ブレーブスは勝負期の近くにある球団なので、トレードの弾になる可能性もあると思います。先発としての育成に失敗したなら、リリーフとしての育成の算段があるのかもしれません。
2021MLBドラフト ブレーブスの指名予想
明日7月12日に迫ったコロラドで開催されるMLBドラフト。本来ならアトランタ開催だったはずなのですが・・・ という訳で今回は全体24位指名権のあるブレーブスの指名予想です。戦力均衡ラウンドはブレーブスにはありません。アクーニャの怪我で長く書く気にならないので詳しく書くのは1巡目だけです。2巡目以降は現状のプロスペクトから踏まえた簡単な予想で済ませます。
一巡目(全体24位)
Michael McGreevy. (UC サンタ・バーバラ大 21歳)
ブレーブスの指名は近年の指名から予想するに大卒選手です。昨年のシュスターのように契約金が安く済むような指名を予想します。大卒は高卒に比べ契約金が比較的安いんです。MLBドラフトにはボーナスプールという制度があります。これは1〜10巡目までに指名された選手の契約金が各順位に指定されている基本額を超過すると罰金が課されます。前GMの時は超過を気にしない指名でした。2018ドラフトでは、高卒のカーター・スチュワート(現ソフトバンク)を指名しています。尚、彼とは契約が難航し、結局は超過しませんでした。現GMのアンソポロウスはこのような指名はしないと思います。大卒投手でこの順位まで残っていそうなのにWill Bedner等もいます。おそらくMcGreevyの方が先に消えるので、彼に逃げる可能性もあります。
説明が遅れましたが、McGreevyはコマンドが優秀な投手です。90マイル前半のフォーシームと切れるスライダー、大きなカーブを武器とする投手です。チェンジアップはあまり良い球ではありません。同校の先輩であるインディアンスのエースであるビーバーとよく比較されています。
2巡目以降はおそらく野手が多い指名になると思います。特に内野手です。今のブレーブスのプロスペクトで若い年齢層で二遊間を守れる選手はBranden Shewmakeくらいしかいません。今季、今の状態ならブレーブスは売り手に回る可能性がまぁまぁあるのでプロスペクトが増えるかもしれませんが、そこの最終判断はレイズ、パドレスとの連戦の戦い次第です。長期的な再建はまずないと思いますし、来季のドラフト順位が多少なりとも上がるのなら、今季無理して勝つ必要もないですし。ただ、今のブレーブスには、ドラフト全体1位指名権を争える圧倒的な弱さは無いので大量の選手の放出はないと思います。なのでプロスペクトが爆発的に増えることはないでしょう。よって、今季のドラフトでは足りない二遊間のプロスペクトを補充して欲しいですね。
自己紹介と当ブログの方針について
当ブログはMLBに関する話題をブレーブスファンが不定期に語って、投稿するブログです。 かなり不定期になると思いますがお願いします。
ちなみに現在ロースター(出場選手登録)にいる選手で言うとダンズビー・スワンソンが一番好きな選手です。他球団で言うとロッキーズのマイケル・フリーランドやブルージェイズのボー・ビシェットなども好きな選手です。おそらく1球団に1人ずつは好きな選手がいます。
名前・アイコンの由来について
ストライダーって誰だよと思う人も多いと思います。スペンサー・ストライダーは、ブレーブス傘下の2Aのチームであるミシシッピ・ブレーブスに所属する快速球右腕の球団20位プロスペクト(簡単に言うと期待の若手)です。まだメジャー昇格は遠そうですが彼にはかなり期待しています。いずれ彼の記事も書きたいと思います。皆さんも彼を応援してあげてください。