すとらいだー #ATLBraves

MLB,特にブレーブスについてのトピックを不定期投稿

ヤンキースから学ぶ金満球団のタンク無しの再建法

f:id:strider_fortheA:20210717221202j:image世界最大の金満球団のヤンキース。常に贅沢税ギリギリの総年俸で戦っており、勝負期にあるように見える球団ですが、プロスペクトは不足しないのでしょうか。そこで、今回は彼らのプロスペクトの補給法とプチ再建についてお話します。 

 

〜リリーフの乱獲と大量放出〜

ヤンキースは2010年代中盤のア東地区はブルージェイズオリオールズの強かった時期には、3、4位に甘んじることが多かったですが、総年俸だけは前記の2球団より高かったです。同時期にヤンキースにはエ○ズベリーがいましたが、彼の年俸を差し引いても下位のチームとは思えない額でした。燃費が悪いとも言えそうですが、彼らはこの総年俸のうちの20%近くをリリーフに充てていました。通常リリーフにここまでの額を割くことはコンテンダーでもそうそうありません。ただヤンキースはトレードでこれらのリリーフを他地区のコンテンダーであるインディアンスやカブスに売り払いました。

 

(1)アロルディス・チャップマンのトレードf:id:strider_fortheA:20210717220924j:image

カブスとのトレードです。ヤンキースは2016年当時ナ中でトップを走っていたものの、クローザーがヘクター・ロンドンでセットアップがペドロ・ストロップだったカブスに標準を合わせます。決してこの2人が悪いとは言いませんが、他のリリーフが結構ひどい、チャンピオンを目指す、又プロスペクトも多いという状況であった為、よりプレーオフでの勝利を確実にするために、セットアップは満足にできてクローザーもできるようなリリーバーが欲しかったのでしょう。ヤンキースは1年契約を結んでいたチャップマンを7月25日に放出します。対価は当時のトッププロスペクトだったグレイバー・トーレスです。現在のショートを務めている選手です。カブスは2016年にはワールドチャンピオンになっています。

 

(2)アンドリュー・ミラーのトレードf:id:strider_fortheA:20210717220933j:image

インディアンスとのトレードです。インディアンスは2016年当時ア中でトップを走っており、独走に入っていましたが、プレーオフブルージェイズアストロズに対抗するには、ブライアン・ショウやコディ・アレン、ダン・オテロらのいたリリーフにもう1枚クローザーレベルのリリーバー欲しいと考えていました。ヤンキースはこれに目をつけて保有期間の長く残っていたミラーを放出し、多くのプロスペクトを得ました。インディアンスはこの年、ア・リーグ優勝を果たすもののワールドシリーズカブスに敗れています。これ以降、毎年のようにプレーオフには出ているもののワールドシリーズには進めていません。ちなみにヤンキースが得た対価はクリント・フレイジャーやジャスタス・シェフィールド、JPファイアーライエンなどを獲得しています。シェフィールドはジェームズ・パクストンとのトレードでマリナーズへ、ファイアーライエンはマイナー選手同士のトレードでブリュワーズに移籍しまぁまぁなリリーフに成長しています。フレイジャーは今は外野のデプスに名を連ねています。

 

このようにヤンキースは豊富な資金を生かし、勝負に出れない年でもFA市場でリリーフを買い漁り、それらをプロスペクトに変えていくという小さな再建をすることで厚い選手層を作り上げています。彼らの野手育成のノウハウは他球団が見習うほど優秀であるため、野手のプロスペクトを多く抱える傾向にあります。投手は残ったプロスペクトでトレードしたりFAで買ってくるという方針でしょう。あとはトレーナーさえ優秀なら恐しい選手層で殴り続ける銀河系球団になれるでしょう。尚、主はヤンキースが好きでは無いです。